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三浦 崇宏 The Breakthrough Company GO 代表取締役

変わろうとする
人と組織を応援する

Photography: Yuji Kanno(spoke inc.)

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三浦 崇宏

小説家を志し、早稲田の第一文学部へ。アイデアや企画で勝負するクリエイティブの部署での仕事に就きたく、博報堂へ。当時三浦が目指していたことを叶えられなかった三浦はいま、「社会の変化と挑戦」にコミットすることを目指している。GOという組織を立ち上げるまで、そしてGOがこれからどこに向かおうとするのかを訊いてみた。

経験に勝る成長はない

「僕は、高校・大学時代、ずっと小説家になりたかったんですよ。ただ実際小説を書き始めたら、楽しくなかった」と三浦は言った。そこで三浦は自分にとって何が楽しいのかと振り返り、一人で原稿と向き合い作品をつくるプロセスでなく、誰かと一緒に面白いことや新しいことをつくるプロセスが本当に楽しかったことに気づく。
 高校のときに柔道部の部員全員と学校をさぼり、柔道着という制服を着てPRIDEグランプリの「桜庭和志 VS ホイスグレイシー」の試合を観戦したこと。生徒会長時代にそれまで年1回だった学園祭を年2回にしたこと。大学時代、仲間たちとイベントを企画して当時大学生で初めてGoogleの協賛を得たこと。それらは、まだ誰もしていないことに挑戦して自分の周りに変化起こす活動であった。
 そう、三浦は変化に対応するのでなくいつも変化を起こす側にいたのだ。そういった活動が何よりも楽しく、就活においても「自らの企画やアイデアで世の中を変えたい」という想いのもと博報堂へ入社した。

 初期配属は希望のクリエイティブ部門でなく、マーケティング部門。配属されてすぐに三浦が上司にいった一言は「よかったですね。こんな地味な部署に僕みたいなスターが配属されて」だった。業務では企画やアイデアが否定されるたびに、上司に歯向かっていたという。そういった勘違いもあり、半年後には仕事を任されなくなる。
 やる事がなくなった三浦は独自に仕事をし始める。友人のスタートアップのコンサルティング、TBSラジオの構成台本の作成など。それらは自らの手と足でとってきた仕事だったが、博報堂としての仕事ではなかった。ある時、ふと三浦は考えた。自分がやるべき仕事はひとりでできる小さい仕事のままでいいのか、大きい会社でしかできない仕事をやるべきではないだろうか、と。
 そこで上司に「僕は生まれ変わります!仕事をさせてください」と三浦は懇願した。それに対し上司から言われた言葉はいまでも鮮明に記憶に残っているという。「生まれ変わる必要はない。今のお前の尖った姿勢や性格に、誠実さや謙虚さ、真面目さ、人を思いやる姿勢を足していければいいんだよ」。上司は三浦の行動を全部知っていた。「人は経験して気づいたことでしか変わらない」という上司の考えがあり、三浦自身が経験から学び、自らの意思で変わろうとするまで見守ってくれていたのだ。その姿勢は三浦にも引き継がれ、部下や若手に接する上での大切な姿勢のひとつとなっているという。

「社会の変化と挑戦」にコミットする

その後PR、クリエイティブと職歴を重ねた三浦。10年で3職種というキャリアは異例でそのことが三浦の特殊性にもつながっているという。そういった経験の中で自分に求められていたテーマはいつも同じであった。それは「変わる」ということ。ただその中でいつも思うことがあった。
 それは「変わりたい」と思っているのに、さまざまな要因によって、「変わらない」という意思決定をしている組織が多いということ。それは広告だけではなくてマーケティング、PR、新規事業、テクノロジー、金融、あらゆる領域で同じだったということ。「変わりたい」と思っているのだったら、それを全部まとめて面倒みれる会社をつくればいいと考え、「社会の変化と挑戦」にコミットすることをテーマにThe Breakthrough Company GOを立ち上げた。

 GOの事業は業界という領域に留まっていない。未来に向けて変わろうとする「変化」にこだわり、それを支援できる会社はどうあるべきか。創業以来三浦はそのこととひたむきに向き合っているという。その結果GOには「意味が分からない」、「全く前例のない」仕事の依頼が増えてきている。投資家から新しいスタートアップビジネスを考えてほしいとか、地方の自治体にベンチャー企業を増やしたいとか。誰も考えたことのない課題に向き合い、なんとか答えをひねり出す。そういった世の中で解決できなかったことを解決し、社会に変化をもたらすことが三浦たちGOの事業であり、目指している組織だ。

 いまの時代、組織に求められていることは何かと三浦に訊いてみた。「チームワークが大事。チーム内でのパス回しのスピードが組織の力になり、熱量に変わっていく。僕たちもそういったチームでありたいし、そういったチームを世の中に増やしていきたい」と三浦は答えた。

三浦 崇宏

The Breakthrough Company GO 代表取締役 PR/クリエイティブディレクター
1983年東京都生まれ。2007年に博報堂に入社。博報堂、TBWA/HAKUHODOのマーケティング、PR、クリエイティブ部門を経て、2017年に独立し、The Breakthrough Company GOを設立。2020年「言語化力 言葉にできれば人生は変わる」(SBクリエイティブ)、「人脈なんてクソだ 変化の時代の生存戦略」(ダイヤモンド社)「超クリエイティブ 発想と実装で現実を動かす」(文藝春秋)を出版