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PHSが終了するのはなぜ?いつ?後継機も紹介

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すでに一般のPHSは終了しており、残りのビジネス用途のPHSも2023年に終了することになります。一昔前の隆盛期と比べてPHSは衰退の一途を辿ることになりましたが、なぜ日本の総務省はこの度PHSの終了を決めたのでしょうか。
また、病院や介護施設、ホテル業界では、現在でもPHSを構内PHSとしてビジネスシーンで利用しているところが少なくありません。ただし、公衆PHSの終了と同時に、構内PHSも今後利用し続ける“潜在的リスク”が浮上しています。
そこで、ここではPHS終了の「なぜ」を解説するとともに、構内PHSに代わる後継機もご紹介します。現時点でPHSを何かしらの通信手段として利用している業界・業種の企業担当者は、是非ご一読ください。

そもそもPHSとは?

 

PHSとは「Personal Handy-phone System」の略称となり、1995年にサービスが開始された移動型無線通信手段です。当時の移動型無線はショルダーホンや自動車電話がありましたが、個人がポケットに入れて自由に持ち歩くことができるPHSは瞬く間に人気となり、「ピッチ」という愛称で一般の人々に浸透しました。PHSは名実ともに携帯電話・スマホの先駆けとなる端末となります。

PHSと携帯電話の違い

「携帯電話(スマホ)はPHSの進化版」と考えている人も多いですが、厳密に説明すると携帯電話とPHSは似て非なるものとなります。
まず、無線通信機器を使用する場合は、特定条件を除き原則「無線局免許状」が必要となります。この免許状は電波法を管理している総務省や出先機関である陸上無線協会が管理しているものとなります。スマホを含む携帯電話端末は無線局免許状が必要となりますが、PHS端末は家庭用電話の一般回線からひいているため、免許は必要としません。
携帯電話は広域まで届く高出力電波となりますが、PHSは家庭用電話の延長線上にあるため、電波が届く範囲はせいぜい500m程度となり、現在の携帯電話の5分1から10分1程度と非常に狭い範囲であるのが特徴です(半径500mおきにアンテナを設置しなければならない)。

病院や介護施設ではなぜPHSが現在も使われているのか?

病院や介護施設では、強い電波の発信によって、医療機器が障害を起こしてしまう可能性が懸念され、令和の時代となったいまでもPHSをスタッフ間のコミュニケーション手段として使用している病院が多くあります。
しかし、現在のIT技術は日進月歩。4Gや5Gの登場により、高出力でありながらも電波干渉の発生確率はPHS以下に抑えることも可能となりました。そもそも昨今は病院や介護施設でも院内にてWi-Fiの導入が進んでいますね。本来であればWi-Fiが飛ばす電波も医療機器の電波干渉をしてしまうと考えられますが、実際はそんなことありません。Wi-Fiの規格を変えて電波干渉をしない周波数帯に変更することができるのです。
病院や介護施設において、なぜいまもPHSを使っているのかの理由については、おそらく病院側の知識や予算不足、無線通信機器の販売店が営業していないのが理由となると考えられます。

→病院にトランシーバーは必要?

PHSが終了するのはなぜ?いつ?

PHSの公衆向けサービスは、2020年7月をもってして既に終了しており、現在はビジネスシーン向けの「PHSテレメタリング※ワイモバイル(ソフトバンクグループ提供ブランド)」を残すのみとなっていますが、こちらも2023年3月で終了予定となっています。新規契約は2019年に受付終了しているので、現状はテレメタリングユーザーのみが影響します。そして、この2023年3月末日をもちまして、25年以上続いたPHSの歴史は正式に幕を閉じることになります。
「なぜPHSが終了してしまうのか」その答えはやはり「携帯電話の台頭及びスマホへの進化」といったところでしょう。PHSは従来の通信手段である自動車電話やポケベルと比較すると、安価かつ多機能に富んでいましたが、携帯電話の台頭が目覚ましく、またPHSと価格差がなくなるのに、そう時間は要しませんでした。PHSは携帯電話(いまでいうガラケー)に押される形で、1997年頃をピークに減少に転じることになりました。

なぜ旧スプリアス規格のPHSも終了するのか?

PHSに限らず、電波を飛ばす無線通信機器には、「スプリアス」という不要な電波を飛ばす仕組みが搭載されております。2007年11月以前に製造された無線機は「旧スプリアス規格」で製造されており、この度総務省の通達により、旧スプリアス規格の終了が宣言されました。当初終了時期は2022年でしたが、新型コロナの影響により無期限延長となりました。
旧スプリアス規格は上述したように不要な電波となるため、電波の健全な運用の妨げになるとし、日本では2005年よりスプリアスの低減を目的とした関係省令が改正されています。

構内PHSや内線も終了する?使い続けるリスクとは

一方でPHSのサービスが終了した後も、構内PHSはいまのところ使い続けることができます。しかし、デジタル推進といった社内のDX化が叫ばれている昨今、いつまでも構内PHSを使い続けるのはいささかのデメリットやリスクがあるかもしれません。

PHSが壊れたときの対応に苦労する

まず第一に、PHSのサービスが終了した後は、端末が不具合を起こしたり、壊れたりした際の修理メンテナンス費用がかさみます。特に部品関係は在庫限りとなるので、欠品している場合は事実上修理不可となります。
必要台数分を揃えている状態で構内PHSを活用している場合、1台故障してしまうだけで、構内のスタッフ間通信手段の全面的な見直しが求められてしまいます。

多様化するリスク・トラブルに対応できないケースが発生する

近年は各業界・業種におけるリスクやトラブルも多様化しており、十年前には考えられなかった問題が発生しています。構内PHSはあくまでも1対1の同時通話となり、無線機や最新のスマホアプリのようにグループ通話ができません。急を要する情報を同じチーム・部署・エリア内の人間全員に伝えることは、PHSの機能にはありません。また、メッセージを打つことはできますが、文字数は30文字前後が一般的で、業務レベルで使えるシーンはなかなかありません。

PHSの終了と各業界が検討するべき後継機とは?

PHSの終了を受けて、これまで構内PHSを使っていた多くの業界が「いつか構内PHSも使えなくなるのでは?」、「販売店からサービスの終了を言い渡されて買い替えを迫られている」と戸惑っている様子です。構内PHSはいまの時点では終了を宣言されていませんが、時代の流れから察すると、新しい後継機へ切り替えるタイミングであることに間違いはありません。
そこで、下記ではこれまでPHSを使っていた企業に向けて、後継機の候補をご紹介するとともに、それぞれのメリットとデメリットを挙げてみました。自社の業界や使用用途、シーンに最適な無線通信手段を確保するといいでしょう。

PHSが進化した移動通信手段「IP無線機」の長所と短所

見た目は業務用無線機の形をした「IP無線機」は、携帯電話と同じ通信規格を用いるため、携帯電話(スマホ)で通じる範囲内であれば、IP無線機でも通信が可能となります。
また、IP無線機はPHSやスマホの通話機能と異なり、グループ通話や同時/交互通話の切り替えも可能となりますので、ビジネスシーン別に使い分けることができるのが特徴です。
一方で携帯電話でも届かない通信エリアに関しては、IP無線機でも同様に圏外となってしまいます。もともと業務用無線機の特徴は、基地局を介さない端末同士の電波の送受信となるため、携帯電話で通じない範囲で通話できるのが魅力でした。そのため、山岳高原地帯など「携帯電話で圏外エリアの代替」ができないことは欠点となります。その他「ボディは300g前後と重量がある」こと、IP無線機はdocomoやauといったキャリアと契約する必要があるため、「毎月基本料金がランニングコストとして発生する」ことを覚えておきましょう。

→IP無線とは?メリット・デメリットを初心者に向けて解説!

小規模店舗ならばPHSよりも便利「インカム/トランシーバー」の長所と短所

飲食店やクリニックといった小規模店舗でよく使われている小型のトランシーバーは、「特定小電力トランシーバー」と呼ばれる出力の小さな無線機となります(業界によっては「インカム」とも呼ばれています)。端末はバッテリーと乾電池の両方に対応しているものが多く、本体価格は1万円前後と安価であることも魅力です。PHSのようにその都度端末を取り出して、電話帳を開いてプッシュするのではなく、送信ボタンを押すだけでグループ内に伝達事項を送信できるのがインカム/トランシーバーの最大の特徴となります。
その一方で、複雑な間取りや壁による仕切りが多いレイアウトでは電波の通りが悪く、ワンフロアであっても音声が通じなかったり、ノイズが入ることもよくあります。また、インカム/トランシーバーは安価のため初期導入はしやすいのですが、本体やイヤホンマイクは消耗品となるため、ラフな使い方をすると想像以上にランニングコストがかかる場合があります。

→トランシーバーの特徴やメリット・デメリットをご紹介

あらゆる業界で活用「業務用無線機」の長所と短所

警備員が腰に装着しているごついボディが特徴の業務用無線機は、上述した特定小電力トランシーバーと比べると400〜500倍の出力で送受信ができるため、半径1〜3km程度と広範囲で音声通話が可能です。また、端末同士の電波のやり取りとなるため、IP無線機と違いWi-Fiや4Gが通じないエリアでより効果を発揮します。また、2000年以降に企業の課題として注目されている「BCP(事業継続計画)」の一環として、業務用無線機を配備する企業や自治体も増えてきました。
ただし、鉄筋コンクリート造の建物内では電波が減衰して届かないエリアが生まれることがよくあります。特に高層のオフィスビルやホテル、病院といった施設では、「1階と5階は通じるけど、3階の事務所がなぜか電波が入らない」、「1階から7階は網羅できたが、地下1階が全体を通してノイズが入る」といった現象が発生しやすいのも業務用無線機の特徴です。
業務用無線機を従業員に配備させると、10台程度でも100万円を越えるため、初期費用がかかります。リース契約もできますが償却期間は5~6年となり、言い換えれば5年おきに買い替えを検討しなければならないので、小規模事業者にとって、導入のハードルは決して低くありません。

→業務用無線機とは?特徴から分かるメリット・デメリットや注意点まとめ

近い将来は多くの企業に浸透。DXツール「スマホインカム」の長所と短所

DXとは「Digital Transformation」の略称で、デジタル技術を活用して社内の業務レベルまで浸透させ、ビジネス変革及び競合優位を目的とした施策です。日本においては2018年に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」を公開しています。※経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(2018)」
企業によって推進するDXの施策は異なりますが、近年サービス業を中心に注目されているのが、音声DXと呼ばれるスマホを活用したスタッフ間コミュニケーション手段です。日本全国で複数のメーカー・ブランドが既にサービスを開始しており、「スマホインカム」としてサブスクリプションプランを提供しています。
スマホインカムはスマートフォンに専用アプリをインストールするだけで使うことができ、同時通話とグループ通話が可能。弊社「BONX WORK」のように、普段は待機モードでバッテリー消費を抑えつつ、音声を認識して自動で同時通話モードに切り替わるような、独自技術を採用しているメーカー・ブランドもあります。
一方で、スマホインカムはまだまだ発展途上の次世代音声ツールとなるため、上記でご案内したインカムや業務用無線機と比べると、認知度が低いことが挙げられます。また、中高年世代の中にはスマホの扱いに慣れていない人もいますので、導入時に研修をする手間があります。

→DXっていったい何?その意味や重要性、具体的な事例などを徹底解説

PHSの終了に伴う後継機の選び方

PHSの終了に伴い後継機を探している企業担当者の中には、「どのような基準で次の通信手段を選べばいいのか迷っている」という人もいるでしょう。そんなときは、まずは下記項目を考えてみてはいかがでしょうか。

1.通信手段の使用用途
スタッフ間コミュニケーションといっても、「業務連絡」、「クレーム対応」、「緊急用」など使用用途は企業によって異なります。
2.通信距離
半径500m程度の距離でも、ワンフロアの広い面積で利用するのか、ビル型の建物でフロアを跨ぐやり取りがあるのかによって選ぶ後継機は異なります。
3.通信エリア
構内PHSはアンテナを設置するため電波の確保が可能ですが、IP無線機やスマホインカムはWi-Fiや3G/4G/5Gが届かない場所では使うことができません。

PHSの終了と今後の移動通信手段の予測。次世代ツールを取り入れよう

2023年のPHSの終了が迫るにつれ、現在も構内PHSを利用している企業担当者は、多かれ少なかれ危機感を抱いていることでしょう。しかし、このまま構内PHSを使い続けるのは、目に見えない事業機会の損失として、企業に多大なリスクを与える可能性も孕んでいます。
経済産業省の公開したDXレポートによると、日本の民間企業がDXの波に乗り遅れた場合、2025~30年の間でおよそ12兆円の経済損失を被ると記載があります。音声ツールを含む企業のデジタル化は必須となりますので、PHSの終了を機に本格的にスタッフ間の通信手段の抜本的な見直しを計画してみてはいかがでしょうか。

→業務用トランシーバーがおすすめな理由と「BONX WORK」という選択肢